自然の中で過ごす心地よさや、体験する楽しさ。東急リゾーツ＆ステイでは、そんな“自然との共生”をテーマに、さまざまな取り組みを行っています。 その中で、このたびタングラムスキーサーカス（長野県信濃町）が、生物多様性保全に関する認証制度「G認証」を取得しました。これは国内スキー場として初めてのことである上、最高ランクのAAAという評価もいただきました。
さらに、斑尾東急ゴルフクラブ（同町）と大多喜城ゴルフ倶楽部（千葉県大多喜町）でもG認証を取得。地域の自然環境を守る取り組みが、大きな広がりを見せています。
「G認証」とは？
G認証とは、ゴルフ場やスキー場において、草地などの二次的自然環境（人が手を加えることで維持されている環境）の保全状況を評価する認証制度です。Grassland（草地）、Golf Course（ゴルフ場）、Gelände（ゲレンデ）の頭文字から名づけられました。
広大な自然の中にあるゴルフ場やスキー場は、環境への影響が大きい施設です。そのため、二次的自然環境の維持・再生に取り組むことは非常に重要であり、G認証の取得は大きな意義を持ちます。
スキー場で初の快挙！タングラムスキーサーカスが最高ランクAAAでG認証を取得
タングラムスキーサーカスのある地域は山間部に位置し、かつては人が手入れをして維持してきた二次林が広がっていました。しかし50年ほど前、スキー場の建設に伴い、その約18％が伐採されました。現在では、スキー場敷地の約25％が草地、約10％が二次林に近い環境として、それぞれ草刈りや下草刈りで維持されています。
こうした環境の変化と管理状況をふまえ、敷地全体の約84.7％（※管理対象外の林地を除く）を、これまでの管理手法を生かしながらさらに工夫を加え、二次林や二次草地（人が手入れをして維持された草地）のような環境を意識した管理を行っていくこととしました。
これは、日本のスキー場では先進的な取り組みであり、失われつつある二次的自然環境の再生に向けた第一歩として高く評価され、最高ランクAAAでのG認証取得につながりました。
斑尾東急ゴルフクラブ・大多喜城ゴルフ倶楽部でもG 認証を取得
タングラムスキーサーカスに併設する「斑尾東急ゴルフクラブ」は、二次的自然をもう一度よみがえらせるため、管理方法を見直しました。現在、4.4ヘクタールの区域で、二次林や二次草地の環境を意識した手入れが行われています。この取り組みが、急速に自然が失われつつある現代において、二次的自然再生の一歩として評価されました。
千葉県大多喜町にある「大多喜城ゴルフ倶楽部」は、かつて人が利用することで維持されてきた里山林に囲まれていました。そこで、まわりの環境がどのように変わってきたかを調べて整理。現在は8.4ヘクタールのエリアで、二次林や二次草地の再生を進めています。この取り組みは、地域の生態系ネットワーク強化につながり、自然と共に生きる社会へ貢献できると期待されています。
自然とふれあい、自然の大切さを伝える工夫
スキー場やゴルフ場は、豊かな自然の中で楽しむレジャー施設です。私たちは今回のG認証取得を通じて、環境管理による自然との共生や災害リスクの軽減などについて、もっと多くの方に知っていただきたいと考えています。
その一環として、タングラムスキーサーカスでは「タングラムファミリーマルシェ」にて、環境の大切さを楽しく学べるブースを設ける予定です。また、大多喜城ゴルフ倶楽部では「認証取得記念ゴルフコンペ」を企画しています。
これらのイベントを通して、自然とふれあいながら、「生物多様性をはぐくむ自然の中で楽しむアクティビティ」の大切さを発信してまいります。
私たちが目指す“ネイチャーポジティブ”な未来へ
東急不動産ホールディングスでは、グループ全体で環境にやさしい経営（環境経営）を進めており、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」を重要な課題としています。G認証取得につながった今回の取り組みも、「ネイチャーポジティブ（自然再興）への貢献」の一環です。
今後は、ホテルやリゾート、ヘルスケアなどのウェルネス事業地においても、生物多様性を大切にする運営に努め、2030年度までに事業面積の40％を保全するという目標を掲げています。
このたびのG認証取得は、その実現に向けた大きな一歩です。これからもゴルフ場やスキー場でのG認証取得を進めながら、健全な生態系を守り育てるリゾートづくりを目指してまいります。
本取り組みが貢献するSDGs
東急リゾーツ&ステイは持続可能な